桑の木2年生 すくすく成長中!

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春になり、2021年の春に植えた100本の桑が目覚め、初夏を迎える頃にはどんどん成長していきました。背丈も私の身長を超え170㎝以上になりました。

本来であれば去年の春に受講する予定だった、群馬県が主催している養蚕学校ですが、新型コロナで開催が中止、今年は開講することが決まり6月の初めから1カ月ちょっと通いました。
約1万五千頭の蚕を繭になるまでお世話をしながら養蚕全般や桑について学びました。

養蚕学校初日。給桑の様子

蚕は稚蚕飼育所で飼われていて、3令(蚕の年齢)になると、養蚕農家へ配られます(配蚕)。
そして脱皮を繰り返し5令になり、繭になったら出荷します。その一連の作業を勉強しました。

3令の中でも小さい蚕たち


今年は気温が低くなったり暑くなったりで、気温の虫と言われる蚕も大変だったようで成長が心配されましたが、平均より大きいサイズの繭を作ることが出来ました。
生育の事だけでなく、蚕が繭を作るお家となるマブシの事や群馬県内の養蚕の事など様々なことを学ぶことが出来てとても有意義な時間でした。

そんな中、本来であれば桑の株を育てる期間ではあるのですが、桑が大きくなっているので、500頭飼うことを決め、7月の上旬から蚕を育て始めました。

すべての作業を自分たちの手で!のプロジェクト始動です。

養蚕学校では大きくなった稚蚕から学びましたが、今回は卵から。今まで何度か蚕を飼っていますが、卵から孵すのは初めてのことです。
群馬県蚕糸技術センターではいくつかの種類の蚕の卵が購入できるのですが、今回は「ぐんま200」という群馬県オリジナルの蚕種で、糸の太さや色、糸のほぐれやすさ、染色性の良さを持つつ品種を選びました。

卵が届いて数日、小さな小さな黒い蚕たちが出てきた時はとても感動しました。

卵から孵った蚕たち 毛蚕(けご)と呼ぶ

蚕は4回脱皮を繰り返し、どんどん成長していきます。
繭になり出荷をしたら養蚕農家さんのお仕事は終わりますが、蚕は繭の中で蛹になり、蚕蛾になり繭を溶かして出てきます。蛾になったら飲まず食わず、10日間ほどの命です。その間に交尾をして一生を終えていきます。

なかなか見ることがない蚕蛾

蚕の飼育は犬や猫に比べると比較的手間がかからないと思います。逃げ出すこともなく(繭を作る時はウロウロする)、嚙みつくこともなく、鳴くこともありませんし、散歩なども必要ありません。
基本桑をくれてあげることと、フンのお掃除をすること。温度と湿度管理をすることです。

どんどん成長する蚕たち

ただ5令という繭になる前の蚕の食欲は旺盛で朝昼晩と桑を与えます。
新鮮な桑の方がよく食べるので出来るだけ採れたての桑を与えるのですが、酷暑の中の桑取りがとても大変でした。
養蚕農家さんはうちの何十倍以上の数を飼っているので相当大変ではないかと思います。
ご高齢の農家さんもいらっしゃると聞くので、桑の枝を運ぶのも大変だとつくづく感じます。


私の住む南牧村ではどの家庭でも蚕を飼っていた時代がありましたが、平らな土地が狭く段々畑がばかり。傾斜のある畑から桑を下ろす作業はかなり大変だったのだろうと想像します。昔の方を思うと頭の下がる思いです。

そしてたくさんの桑を食べ、大きくなった蚕は8月2日に熟蚕となり繭を作り始めました。
回転マブシといういわばマンションに案内をして繭作りが始まります。時々マブシから落ちてしまった蚕を拾ってまたマブシに戻すという作業をします。

お家を探してウロウロ

数日すると全ての蚕が自分のお家を決めて繭を作り始めました。

回転マブシに入った蚕たち

繭になるまで数頭死んでしまった蚕もいますが、ほぼほぼ繭になりました。一時期35℃以上の日があって、食欲なくしていたので繭にならないかと心配しましたが、これで一安心です。

繭を作り始めた蚕は2~3日糸を吐き続けて、蛹になります。
暫く様子を見ながら次の作業を進めていくことになります。

今年は新型コロナの感染拡大でなかなかワークショップを開催出来ずにいるのですが、来年はひとつひとつの作業をみなさんと一緒にやっていけたらなと計画しています。

そのためにも今年はしっかり勉強して、準備をしていきたいと思います。


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執筆者:有賀 八重

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